涙の欠片


ってか、買ってこなくていいし。あたし帰れないじゃん。

ますます帰れなさそうになったあたしはの頭の中は“どうしよう”の言葉で埋まっていた。

タバコを取り出して吸う仕草だって無表情のリュウ。口を開こうともしない。

そんな居心地の悪い空間を目の前に居る徹が破った。


「恵梨菜ちゃんって何歳?」


静まった空間を破ってくれるのはいいものの、あたしに対する質問だ。


「16」

「えっ、って事は高一?」

「いえ、高二です」

「高二かぁー。いいよなぁ高校生は」


そう言って曖昧な笑みを浮かべてリュウの肘を突く。

だけどリュウは突かれた事が嫌なのか眉を寄せ地面にタバコの灰を落とす。