涙の欠片


「本当の事、言えよ。お前、俺の事どー想ってんだよ」

「だ、だから好きって言ってんじゃん」

「じゃあ、何でお前泣いてんだよ」


達也のため息混じりの声が胸に突き刺さった後、一瞬にしてあたしの身体に寒気が走った。

慌てて手を頬にもっていくと、あたしの両頬は冷たく濡れていた。


いつ出たのかも分かんない…

何で出てんのかも分かんない。

隣にいる達也は今にも悲しそうな瞳であたしを見る。


「恵梨菜が俺の事を想ってねぇのは初めから知ってた。だからすげぇ不安で…、だから余計に恵梨菜の身体を求めたくなった」

「ま、待って…、あたし達也の事好きだよ?」

「綺麗事、言ってんじゃねぇよ。抱かれてる途中で他の男の事、考えてんじゃねぇよ!!まだ先輩の事、想ってんじゃねぇのかよ!!」


達也の張り叫ぶ声が、あたしの身体を余計に震えさせた。


「あ、あたし…、」


そこまで口を開いたものの続きの言葉がなかなか出てこない。

何を言いたいのか分からないけど、喉に詰まって声が出ない。


そんなあたしに達也は冷たく吐き捨てた。