涙の欠片


正直、達也の事スキなのか分からない。

こうやって達也の腰に腕を回していても熱い想いは込み上げてこない。

でも1ヶ月間、達也といて少しでも落ち着いている自分がいた。

1ヶ月も一緒にいたって事は、もしかしたら少しずつ達也に惹かれているのかも知れない。

だけどリュウみたいな熱い熱い想いはでてこない。

でも、これから少しずつ達也を想っていくのかも知れない。



大通りの駅前まで来ると達也は自転車を止める。

手を繋いで歩く姿は本当に恋人同士と言う名前になる。


「すげぇ人…」


達也はため息混じりに言って、あたしは周りを見渡す。

ゲーセンの中は、中高生ばかりで賑やかな店内になっている。

馬鹿みたいだけどゲーセンなんてあたしには初めてで達也に連れて来られたのが本当に初めてだった。


「ホントすごいね」

「人酔いしそう」


顔を顰めて言う達也にうっすら笑う。

コインゲームをしたり、とにかく店内を見渡し色んなゲームをして達也と夢中になり、気付いた頃には外はもう真っ暗だった。