涙の欠片


口を開けて呆然としたままコンビニの中に目を向けているあたしにフッと笑って徹は口を開いた。


「怖くねぇよ」


その言葉にハッとし、あたしはコンビニの中から目を逸らす。

“怖くねぇよ”って言ってきたのは多分この前の事だろう。

だけど、あんな冷たい目と低い声で“ジロジロ見てんじゃねぇよ”なんて言われたら誰だって怖く見えるし、それに見かけからしても相当に怖いじゃん。


「まあキレたらヤバイけどね」


そう言った翔平は全然笑っていなかった。

やっぱ怖いんじゃん。普通に怖いんじゃん。

この場から早く抜け出したい。そう思った時だった。コンビニの中から出てきたリュウは不機嫌そうな顔をしてズカズカとガニ股で歩きながらこっちに向かって来る。


うそっ…。


帰りたい。