涙の欠片


「うーん…、悪くもないし良くもない」

「何それ…」


オレンジジュースを飲みながら軽く笑うあたしに美沙もハハッと笑ってオムライスを口に運ぶ。


「ねぇ!!」


美沙は口の中にオムライスを入れたまま声を張り上げ「何?」とあたしは返す。


「また、あたしんちに来なよ。あたしんち繁華街の近くだからさ、すぐに買い物行けるよ。だから今度一緒に行こうよ」

「うん。いいよ」

「でもさ、繁華街の近くだから結構煩いんだよ。あっ、そうだ!!この前さ、神崎先輩みたよ。なんか女と歩いて―――…」


美沙は勢い良く話した途中で“ヤバ”って顔をして口を詰むんだ。

オレンジジュースの缶を両手でギュッと握るあたしに「恵梨菜も早く食べなよ」と美沙は戸惑って声を掛ける。



リュウ…

女できたんだ。

だよね。出来て当たり前だよね…


そう思った瞬間、一気に涙が込み上げてきそうになった。

自分から選んだ道なのにリュウの事はまだ忘れられない。

時々リュウの事を想ってしまう…。


こんなに選んだ道が切ないなんて思ってもみなかった。