涙の欠片


「別に俺らは何もしてねぇよ。暇なだけ」


そお言って徹はコーヒーを口に含みタバコを咥えて火を点けた。


〝暇なだけ″

普通の人ですよね?なんて聞けるわけもなく、ただあたしはこの場をどう抜け出そうか頭の方隅で考えていた。


バンッ――…


しばらくして車のドアが閉まる音が響きあたし達3人は一斉に斜め前の車に目を向けた。

短髪の金の髪を立たせた男は黒のジャージを着てズカズカと歩きコンビニの中へ入って行く。


「アイツがリュウ…」


翔平は地面にタバコを押し潰しながら反対の手でリュウと言う男に指差す。

初めて見た時に思った。この2人とは違う雰囲気をもつ男。目付きも冷たければ、まるで一匹狼だ。