そう言われた瞬間、あたしは一馬から目を逸らす事も出来なかった。
口も開けられないくらい硬直するあたしに一馬は言葉を続ける。
「恵梨菜の事、頼むって…。恵梨菜、一人になったら何してんのか分かんねぇって…。お前、まだ薬飲んでんだろ?量守ってんのかよ」
一馬はタバコを咥えてあたしを見つめる。
そんな一馬の言葉に思わず頬を伝って一粒の涙が落ちた。
慌ててその涙を手で拭い、あたしは俯く。
「量はちゃと守れよ。お前が何かあったりぶっ倒れたら、俺リュウさんに殺されっからそれだけは守れよ」
そう言って一馬はタバコを足で踏み潰しサドルに跨った。
何も言わずに後ろに座るあたしに「どっか行くか?」と一馬は後ろに目を向ける。
首を振るあたしに「ん」と言って一馬はあたしの左手を掴み自分の腰に手を回させる。
お互い一言も話さず、あたしの家まで着くとチャリから下りるあたしに一馬は口を開いた。



