涙の欠片


「ねぇ、一馬くんと友達なの? 」


少しビックリした声を出し、興味津々に聞いてくる美沙に「友達…なのか分かんない」と返す。


「はっ?何それ…、でも話してんじゃん」

「あー…知り合い?」


あたしは自分に問い掛けるように美沙に返した。

はっきし言って、一馬とは友達なのか分からない。

ただ唯一、話せる一人だったけど…


「うっそ!!恵梨菜、やっぱ凄いじゃん」

「は?何で?」

「一馬くんモテてんの知ってる?でもさ、怖そうだから皆話せないって言ってんの」

「へー…そうなんだ」


あたしは曖昧な返事をして鞄を肩に掛けた。

確かに一馬は怖い。

第一印象は近付けないって思ったくらいだ。


でも、リュウと知り合ってなかったら、あたしは確実に一馬とも話していないだろう。


「あっ、じゃあ帰るね」


微笑んで美沙に手を振ると「また明日」そう言って美沙も手を振った。