涙の欠片


始業式が終わった後、ゾロゾロと皆が帰って行く中、美沙と他愛もない会話をしながら教室に向かった。


教室に入ってすぐ担任の話しとHRが終わると、教室の後ろから久しぶりに聞く声が飛んできた。


「…恵梨菜!!」


騒々していた教室が一気に静まり返り皆はその方向へ振り向く。

あたしも振り向くとドアに寄り掛かって立っている一馬がいた。


…――え?


何で一馬があたしの名前を呼ぶのか全然分かんなくて、呆然と立ち尽くしていると一馬は無表情のまま手招きをする。


「ちょっと、ごめん」


美沙にそう言って足を進め一馬の側まで行く。


「どうしたの?」

「鞄、取って来いよ。送る」

「は?」


何が何だか分からないまま一馬を見ていると、一馬は顎で机を指す。


「あぁ…」


小さく呟いて、あたしは自分の席まで行き、鞄の中に鏡と携帯を突っ込む。