涙の欠片


「美沙、食堂行こ。腹減った」

「はぁ?始業式、始まんじゃん」

「途中から行こうぜ。マジ腹減ってヤバイんだって」

「ちゃんと食って来なよ」

「あ?お前が朝、急かすから食う時間なかったんだろ」

「またあたしの所為なの?」


2人のやり取りに思わずあたしは声を出して笑った。


「仲いいんだね」

「「全然」」


同時に返ってきた言葉に、またあたしの顔から笑みが漏れた。


「あっ、恵梨菜ちゃんも一緒に行く?」


そう直人から声を掛けられ、あたしは軽く首を振った。


「あたしはいいや。美沙行って来なよ」

「めんどくさいなー…」


そう言いながらも美沙は立ち上がり、直人の肩に手を添え笑顔で教室を出て行った。



“宜しく”…か、


そんな事、今まで言われた事なかったな…。