「ねぇ、リュウ…」
「ん?」
リュウはタバコをくわえたまま、あたしの方に目を向ける。
その真正面から見たリュウの顔に痛々しい傷痕が深く残り、あたしはリュウから目を逸らし俯く。
ほんとにこの傷痕は消えるんだろうか…
「どうした?」
「……うん」
そう言ったものの上手く口が動かず暫くの間、沈黙が続く。
その間、リュウもあたしの言葉を待っているのかリュウも口を開かなかった。
あまりの沈黙の長さに「おい、恵梨菜」とリュウは口を動かした。
それにハッとしたあたしは顔を上げ、リュウに目を向ける。
「どうした?」
リュウはそう言って灰皿にタバコを打ち付け口にくわえる。
「あのさ…」
「うん」
「ずっと、ずっと言おうと思ってたんだけど…」
「何?」
「あのさ…」
そう言った瞬間、あたしの目から涙が頬を伝って落ちた。
それを俯いたまま手で拭うと「恵梨菜…」とリュウは覗き込む。
「あた…あたしの…、あたしの所為でごめん。ごめん…」
リュウの目が覚めてから一度もリュウの目の前で涙なんて出さなかったのに、今目の前で言葉を出すと自然に涙が溢れてきた。



