翔平はあたしの背中を軽く押し、ベッドの横にあるパイプ椅子に座らせた。
「…恵梨菜ちゃん?」
啜り泣くあたしは両手で顔をずっと押さえ震える唇を動かした。
「…あた…しが…、あたしが…。リュウ…の事、疑ってた…から。リュウの事…信じて……、どうしよう…」
翔平はしゃがみ込んであたしの腕を掴み軽く揺する。
「恵梨菜ちゃんの所為じゃない。恵梨菜ちゃんは悪くない。俺の責任でもある…だから自分を責めるな」
「だって…、あたしだよ。気付いてた…なのにあたしリュウを突き放して…。ちょっとの嫉妬が…」
悔しかった。
悔しかった。
何も出来なかった自分に悔しかった。
毎日、毎日、電話してくれてたのに…
家にも来てくれてたのに避けてた自分が情けなかった。
「リュウは…、リュウは恵梨菜ちゃんしか居ないよ?」
そう言って翔平はあたしの頭を軽く撫で「リュウは強いから大丈夫」と翔平はあたしの肩をポンと叩き、徹と一緒に病室を後にした。



