「そう…。俺が着いた時、すげぇ汗出してて…。だから迎えに来てほしいって言ったんだと思う。そん時アイツ原付だったんだよ」
…―――熱…
…―――汗…
一瞬にしてあたしの背中に変な汗が流れた。
あの時リュウは“ごめん”しか言わなくて何度も何度もむせ返る咳をしてて、額からは汗が浮き出ていた。
しんどそうにしているリュウの顔も分かってた。
普段のリュウと違うかった事も分かってた。
でもあたしは苛立ちでリュウを突き放した。
分かってた…
何度も咳込んで苦しそうにして汗だして…
なのにあたしは――…
「……所為」
徹の腕からスルンとあたしは腕を滑らし、その場にしゃがみ込み顔を膝に埋める。
「…恵梨菜ちゃん?」
「あたしの所為」
「えっ、何?」
「…所為。あたしの…、あたしの所為。あたしの所為なの、あたしの――…」
「恵梨菜ちゃん落ち着けって!!」
しゃがみ込んだまま顔を両手で隠し、手の平には涙が染み込んでいく。
あたしは一体、何してんの?
あんなに苦しそうなのに家まで来て謝ってたリュウを突き放して…
何で熱なんかあんのに、あたしんちまで来てんだよ…
なんで、そこまでして来んのよ…
リュウ馬鹿だよ。“ごめん”だけ言いに来て…
そのリュウの気持ちを分かってなかったあたしはもっと馬鹿だし最低だ…。



