涙の欠片


「19時半頃にリュウから電話があった」


19時半って、あたしがリュウを追い出してすぐの事だ…

徹は軽く息を吐き出し顔を顰めたまま言葉を続ける。


「“コンビニに居っから迎えに来てほしい”って…。でも俺、ちょっと遠出してたからすぐには行けねぇけど待ってろって言った。でも俺が着いた頃には20時半回ってて、リュウすげぇ寒いのにジャージ一枚着て血まみれになって倒れてた」

「…え?」


一瞬、あたしの視界も呼吸も全てが止まったみたいだった。

何言ってんの?徹…

血まみれって何?

あたしリュウと会ったよ?


意味分かんない…。


「恵梨菜ちゃんごめん。俺、パチンコに行っててリュウの電話に気付かなかった」


そう言ってきたのは翔平だった。

今だに頭を深く抱え込み、話す声も擦れている。


「ってか意味分かんないんだけど…」


今だに理解が出来ないあたしは、ただ呆然として徹と翔平を互いに見ながら目を泳がす。


「前、リュウがボコボコにした奴らにやられた。俺が着いた頃には、もう遅くて意識もほとんどない状態だった」


徹がそう言った瞬間、あたしの頬に熱い涙が頬を伝って流れ落ちた。