「…な…んで?」
小さく呟いたあたしに「リュウがここにいる」と翔平はいかにも崩れそうな顔をして呟いた。
「…――え?」
翔平はあたしの冷えきった腕を引っ張り足を進めて行く。
…――え?
リュウ…何でここにいるの? ってか、何時間か前に会ったじゃん。
緊急出入口から入るとソファーに座っていた徹が立ち上がりあたしに向かって頭を下げた。
「恵梨菜ちゃんごめん」
「は?」
目の前の徹の行動に思わず抜けた声が出た。
何が?
何がどうなってんの?
「…リュウの意識が朦朧としてる」
「…は?」
頭を上げて徹の言った事に耳を疑った。
何言ってんの?
ずっと徹を見つめるあたしに「恵梨菜ちゃん?」と軽く肩を揺すられる。
何がどうなってんのか分からないぐらいに頭の中は真っ白で、目の前の徹はあたしの肩から手を離し顔を顰(しか)める。
翔平はソファーに座って頭を抱え何度もため息をつく。
意識が朦朧…
「…意味、分かん…ない」
呆然としたまま小さく呟くあたしに徹はあたしに目を向けて口を開いた。



