ハッと我に返ったあたしは落ちた鞄を慌てて掴みリュウに背を向けて少し走った時、あたしの腕はリュウに捕まれた。
「離してよ!!」
声を張り上げ、唇を噛み締めたままリュウを睨み付ける。
「恵梨菜、聞け」
「リュウ何してんの?何キスしてんの?」
「してねぇよ」
「してたじゃん。あたし…、あたしリュウに謝ろうと思って来たのに何してんの?」
潤む目からもう少しで涙が落ちそうになった時、リュウはあたしの腕をさっきよりもきつく握り締めた。
「アイツとは何もねぇ」
俯くあたしの耳にもう一人のヒールの足音が聞こえ、またあたしの心を掻き乱すような言葉が飛んできた。
「ねぇ…、誰この女?リュウのセフレ?」
「うっせぇ、お前!!」
甘ったるい女の声が聞こえた後、リュウの怒りの通った声が聞こえ、潤んでた目が一気に壊れ熱い涙が頬を伝って流れ落ちた。



