涙の欠片


「それで信じんのかよ…。もう掛かってこねぇよ」


不機嫌な顔のリュウはテーブルの上に置いてあるタバコを1本咥え火を点ける。


「こんな事してなんて言ってないじゃん」

「あ?」

「折ってなんて言ってないじゃん」

「お前が信じねぇからだろうが!!」


リュウの怒の通った張り上げた声で、あたしの身体はビクッとする。


「そんな…そんな怒んなくてもいいじゃん」

「怒ってねぇよ」

「怒ってんじゃん」

「お前がしつこいからだろ。うっせぇなぁ…」


そう言ってリュウはため息をつき灰皿にタバコを打ち付ける。

そのリュウの吐き捨てた言葉と態度であたしの口は閉じた。


“しつこい”


あたしの頭の中でその言葉が駆け巡り、それ以上言うのは止めようと思った。

しつこい女は嫌われる。


しつこく言ってるつもりは自分では分からない。だけど、あたしはどうも疑いだしたら止まらなくて相手を怒らせている。


だから自分でも思う。


こんな自分は嫌いだと…