「あたしもさ高3の時に手術したんだ」
「……え?」
麗さんの言葉で思わず声を漏らし麗さんを見つめた。
麗さんは悲しくもなく笑ってもなく、ただ無表情のままリンゴの皮を剥いていた。
「卵巣に腫瘍があったんだ。その時は全く気付かなかった。だって痛さなんてなかったし…。婦人科の病気ってさ、悪化してても痛みがないから分かんないんだよ。身体の限界がきたら痛さが急に増すから怖いの。恵梨菜ちゃんが運ばれた時、凄いリュウから着信入ってた。たまたま気付いてなくてさ、掛け直した時“遅ぇ!!”って凄くキレられた。」
麗さんはうっすら笑って切ったリンゴを皿に置き、つまようじを刺して一切れあたしに差し出す。
「…ありがとう」
そう言ったあたしに麗さんはニコッと微笑み話を続けた。
「リュウ心配してたよ。あたしの時、以上に心配してた。それほど恵梨菜ちゃんの事、大事に想ってる。恵梨菜ちゃんさ、何か不安に思ってる事あるの?」
「………え?」
あたしは麗さんの言っている意味が分からなく、ただ手に持っていたリンゴを口に含み、麗さんの言葉を待った。



