「ねぇ…、リュウ?」
「うん?」
「話聞いた?」
「あぁ」
「あたし、お腹に傷あるんだって…」
「うん」
「赤ちゃん居ないんだって…。嫌だよね?こんなあたし嫌だよね?あたしと居たらリュウ疲れちゃうね。いっぱい心配かけて、薬に溺れて、おまけにこんな事になって…、リュウあたしの事、嫌だよね」
小さく震えながら出す声と、また潤んだ瞳から流れ落ちる涙にどうしようもなくなっていた。
でもリュウは「嫌じゃねぇよ」って言って、あたしの手の甲にキスを落とし啜り泣くあたしの頭を何度も撫でてくれた。
それから2日間、24時間の点滴と水みたいな食べ物ばかりで、血が想像以上に出ていた為、貧血で毎日鉄剤の注射を打った。
ヘモグロビンが4まで下がっていて、これ以上下がると輸血の必要性があるとも言われた。
傷後がズキズキ傷んで痛み止めを飲む毎日が続き精神的に疲れきってて睡眠薬なんてなくても、いつの間にか眠りについていた。
「…恵梨菜ちゃん?」
数日後、明るい声とともに笑顔を見せてきたのは麗さんだった。
「…麗さん…」
小さく呟くと麗さんはニコッと笑い手に持っていたビニール袋を台の上に置き、その中から真っ赤なリンゴを取り出した。
「もう食べても大丈夫なんだよね?」
「はい」
「じゃあ剥くね」
そう言って麗さんは小さいナイフを取り出しリンゴの皮を剥きはじめる。
その姿を何も言わずに見ていると麗さんは口を開いた。



