涙の欠片


あたしの学校生活の一日は訳の分からないあたしに対する嫌がらせと口コミ、毎日聞こえてくる2人の男の名前で終わる。

家に帰ってリビングから聞こえてくる母と聖梨香の声を耳にしながらあたしは自分の部屋へと向かった。


窓を少し開けブレザーのポケットからタバコを取り出し、口に銜えて火を点ける。

これだけが今の自分の落ち着ける事なんだろうか…

分からない。自分でも分からない。


嫌な毎日の中、母が吸っていたタバコに手を伸ばしてからの癖だ。

吐いた煙を見つめて思った。

自分の中で止めたくても止められない存在の一つ。

一度、手をつけたらそれが快感となり快楽になって止める事ができない物となる。

なんだってそうだ。

快楽を覚えると、それがエスカレートしてしまう。

快楽にもなれば止めようとする意志さえもなくなる。