涙の欠片


「なぁ、お前の部屋行っていい?」

「え、何で?」

「入りてぇから」

「前、入ったじゃん」

「前っていつの話してんだよ」


そんな事、分かんない。

多分リュウは2ヶ月以上はあたしの部屋に入っていない。って言うか入られては困る。

テーブルの上には睡眠薬と頭痛薬が散乱している。


「明日にして」

「あ?何で明日な訳?」


眉間にシワを寄せ、あたしを見るリュウに少し身体が強張った。


どうしよう…

あんな部屋、見られるわけにはいかない。

だからと言って、これ以上突き放す事もできない。


「じゃ…、じゃあ、ちょっと待ってて。片付けるから」

「別にいいだろ」

「駄目!!汚いから」


少し張り上げるあたしにリュウは深いため息をつきエンジンを切って車から下りる。

玄関まで来ると、あたしは念を押すようにリュウにうるさく“待ってて”と言った。

リュウはすっごい不機嫌な顔をして「早くしろ」って言うから、あたしは急いで駆け上がって部屋に入った。

部屋に入って、テーブルの上と床に散らばっている薬を掻き集めてる時、低いリュウの声が背後から突き刺さった。


「何やってんだ、お前…」