「……フレ?」
「え?」
「それって、セフレかな?」
「え、セフ…え?いや…そんなんじゃないよ」
沙織はあたしの背中を擦りながら慌てて訂正する。
「じゃあ何?」
「女も凄いって聞いてたけど、でもそれは本当か分かんない。神崎先輩って凄いモテるんだけど、でも凄い女には冷たいんだよ…。だからって言うか、その…さっき言ったセフレとかってあり得ないと思う。そう言うの聞いた事ないし…」
しどろもどろになりながらも言った沙織にあたしは何度か軽く頷き立ち上がった。
「ありがとう。こんな事聞いて…」
ゆっくり足を進めるあたしの背後から「ねぇ、綾瀬さん…」と沙織の声が飛んできた。
振り返ると沙織は立ち上がりスカートについているホコリを手で叩く。
「一つだけ言っていいかな?」
「何?」
「あたしが 言っても説得力ないと思うけど…。神崎先輩は綾瀬さんだけだと思う。周りから見ててもそう思う。だから神崎先輩は浮気とかしないよ」
「うん…。それと、あたしの事、恵梨菜でいいよ」
そう言って、あたしは少し微笑んだ。



