揺すり続けるあたしの手を沙織は阻止して「え…っと…、」と言葉を詰まらせる。
暫く経っても口を開かない沙織に諦めかけた時、「神崎先輩は…」と沙織の口が動き出した。
そんな沙織に目を向けると沙織はジッと地面を見つめたまま話を続けていく。
「あたしが1年の頃から渋谷先輩と同様に騒がれてた。喧嘩は日常茶飯事で、よく学校で喧嘩してる所も見たし他校の生徒とモメてるって聞いた。当時、先輩は3年だったけどほとんど学校には来てなかった。本当に見るのは週2回ぐらいで来てても喧嘩ばかりしてた。女遊びも―――…」
ゲボッ、ゲボッ――…
そこまで聞いて、あたしは急に咳こみだした。
止まらない咳に喉が痛い。
“女遊びも――…”
イコール、セフレ。
器官に何かが詰まったみたいに激しく咳込むあたしを見て沙織は慌ててあたしの背中を撫でる。
「大丈夫?保健室行く?」
沙織の言葉に首を振り乱れた呼吸と咳を落ち着かせようと胸に手を当てて軽く擦って小さく口を開いた。



