麗さんはあたしの身体をギュッと抱え込み「ごめん…。来るの遅かった…」と呟いた。
麗さんに抱かれたまま前をジッと見つめると徹が男達を殴りつけ、男達の咳こむ声が聞こえる。
その光景から目を逸らし、あたしは麗さんの肩に顔を埋める。
「ごめん…。バイト帰り、徹に送ってもらう途中だった。恵梨菜ちゃんが車に乗せられる所、見たんだけど…それから何処行ったか分かんなくて…。ごめんね…。もうすぐ…、もうすぐリュウ来るからね」
麗さんに、そう言われてあたしの意識がハッとした。
「…いや」
「え?」
「いやだ」
首を激しく振るあたしに麗さんは「えっ…、恵梨菜ちゃん?」と戸惑った声を出す。
「リュウには…。リュウには知られたくない。…やだ。やだ…やだよ…」
何回も何回も言い続けて首を振るあたしに麗さんは混乱した表情を見せる。
「いや…やだよ」
首を振って言い続けている途中、ガッシャーンと何かが割れる音がして、あたしの身体は一気に震え上がった。
麗さんは、あたしの身体から離れ後ろを振り向く。
「…リュウ」



