涙の欠片


次に目が覚めた時には、もう外は明るかった。

あたしの身体の上にのっかっているリュウの腕を払いのけ、あたしはベッドから下りる。


……6:37。


眠りについてから3時間くらいしか経っていない。

やっぱし、何か少しでも不安が出るとあたしは睡眠すら出来ない。

私服のまま寝ていたあたしは、しわくちゃになっている服を綺麗に整え、鞄を手にしてマンションを出た。


時間が早いだけあって、朝の夏の風は丁度良かった。

リュウの家からあたしの家までは離れていて距離も少しある。

だけど、この離れた距離でもあたしは歩いた。

別に何も考えずにひたすら歩いた。

家に着いた頃にはヒールを履いていた足がジンジンと痛みだす。

そのまま風呂場へ向かいシャワーを浴びて、重い足取りで部屋まで向かいベッドに倒れ込んだ。


何だか一気にドッ…っと疲れが出た気分だ。

勝手に何も言わずに帰って来たのはリュウを怒ってるからじゃない。

ただ気が付けばあたしの足は勝手に家に向かってた。


クーラーがついた部屋の中であたしは布団の中に潜り込み、ただボーっと天井を眺めていた。

そして、あたしの携帯が鳴ったのは昼過ぎだった。

鳴り続ける着信音を耳にしながら、あたしは鞄の中に入れていた携帯を取り出す。



――――リュウ。