涙の欠片


密かに聞こえてくる学校のチャイムを耳にしながら、あたしは麗さんと足を進めた。

チラッと後ろを振り返ると険しい顔をして話込んでて、リュウと翔平はしゃがみ込んでタバコを吸う。

目線を前に向けて足を進ませて行くと背後からリュウの声が聞こえた。


「恵梨菜。放課後、ここに来いよ」


もう一度振り返るとリュウはうっすら笑ってて、あたしはそんなリュウに軽く頷いた。

さっきとは違う表情に安心した。

さっきの表情は何だったんだろう。


同じ学校なのにリュウとは全く会わない。

って言うか、それは会おうとしないだけで学校の中では別感じだった。

でも、リュウ達を見て騒ぐ生徒。先輩達も後輩達も騒ぐ姿にあたしは憂鬱感を抱いていた。

体育館の裏道の所で麗さんと別れ、あたしは校舎へと向かった。



何もない落ち着いた日々。
特に何も変わらない毎日。


だけど日が過ぎていって夏休みに入り、少しずつあたしの心が不安へと変えていった。