涙の欠片


「…ごめん。携帯気付かなかった」


リュウを見つめたまま呟くと別にリュウは普通で軽く頷き、あたしの手元に目を向ける。


「何だ…その荷物」

「えっと…ハシャギすぎて買いこんでしまった」


そう言ったあたしにリュウはフッと笑いタバコをくわえたまま、あたしの荷物を全部持ち、中に入って行く。

あたしもヒールを脱ぎ、リュウの隣に座り込む。


「それにしても買い過ぎだろ」

「なんか楽しくて」


ニコッと笑ってリュウを見ると「良かったな」と言ってリュウも呆れ半分で笑ってて、吸っていたタバコを灰皿に押し潰した。


あたしが買ってきた袋の中をガサガサしていると突然リュウに右腕を引っ張られ手の平にヒヤッとする何かを握らされた。


「やる」

「えっ、何?」


突然の出来事にあたふたするあたしに「見れば分かる」と、そう言ってリュウはテーブルの上にあったビールを口に含んだ。