涙の欠片


日曜日。麗さんと約束をしていたケーキを食べる為、繁華街まで足を運ばせた。

約束をしていた時計台の下で黒髪の綺麗なストレートの髪の麗さんが、あたしに向かって軽く手を振っていて、あたしは慌てて麗さんに駆け寄った。


「すみません。遅くなって」

「平気。あたしも今来たばっかだし」


麗さんはニコッと笑い、新しく出来たケーキ屋に足を踏み入れた。

入った瞬間、甘い香りがフワッと鼻の奥に入り込み、何だか気持ちが凄く楽になった気分だった。

2人掛けのテーブルに真向かいに向き合って座り、麗さんは端に立ててあるメニューを取り出した。


「恵梨菜ちやん、何にする?」

「えっと…。何か迷う…」

「だね」


あたしと麗さんは笑いながらメニューを見つめ、暫く経ってから店員に注文した。


「麗さんは、いつも夜から何処に行ってるんですか?」


いつも翔平に大通りまで送ってもらう麗さんに、ずっと疑問に思っていた事を口にする。


「あっ、バイトだよ」

「バイトなんですか?」

「うん。18時頃から1時頃まで居酒屋でしてんの。朝方までする時あるしね」


そう言って麗さんはテーブルの上にある水を口に含む。