涙の欠片


「ねぇ、リュウ…」

「うん?」

「何で一人で住んでんの?」

「あぁ…。追い出された」


そう言ってリュウはあたしから身体を離しテーブルの上にあるタバコをくわえ火を点ける。


「…追い出された?」

「あぁ。4つ上の兄貴が結婚してて実家に居る。3歳になる甥っ子が居んだけど、俺みたいな奴が居たら3歳児に悪影響だっつーから“出て行け”って追い出された」


クスクス笑うあたしにリュウは眉を寄せながらあたしを睨み付けてきた。

笑いが治まらないあたしはリュウに背を向けて布団を頭まで引っ張り上げる。


「何だ、お前…」


不機嫌な声を出したリュウはベッドから抜け出したのか、あたしにくっついていた身体が離れた。

気になってあたしが布団から顔を出すとリュウは立ったまま灰皿にタバコを押し潰し足を進めていく。