涙の欠片


ゆっくり目を覚ますと微かな光とテレビの音。

あたしの視界に飛び込んできたのはリュウの背中だった。

目線を少し上げるとリュウは身体の右側をベッドに付けタバコを吸いながらテレビに目を向けていた。


暫く見つめていると同じ態勢体勢がきつくなったあたしはゴロンと身体を崩し仰向けになる。

その少し動いた行動でリュウはタバコの火を消し、後ろを振り返りフッと笑う。


「おはよ。もう10時…」


そつ呟かれあたしの目は限界に見開き声を上げた。


「うそっ!!」


勢いよく飛び起きるあたしに「ほんと」と平然に返す。

テーブルに置いてあった携帯を取りリュウはあたしに画面を見せる。


…10:12。


くっきりと映し出される文字にあたしはまた目を見開き「学校!」と声を上げリュウに目に向けた。


「学校って、今日土曜だから休みだろ」


リュウは呆れた声を出し、パチンと携帯を閉じてそのまま寝転がった。

少し焦った気持ちが一気に緩み、もう一度あたしはバタンと倒れベッドに背を付ける。