涙の欠片


その低い声と笑みで、また背筋がゾクッとしあたしは目を泳がせながら扉の手すりを掴み中に入った。


こわっ…。


バクバクなる心臓に手を当てて一息吐き飲み物がある透明のガラスの扉に手を掛け中からミネラルウォーターを取り出した。

レジまで持って行きポケットから500円玉を取り出し、店員に差し出してすぐ外に目を向けた。

暗い外の様子は分からないが、さっきまでの騒ぎは落ち着いたのかざわめきの声は聞こえない。


小銭とミネラルウォーターを手にして、あたしは再び外に出た。

車はフルスモークの車一台だけになっていて、その車の横に3人の男が座り込む。

その車の横を通り過ぎようとした時…



「あっ、ねぇねぇ。さっきはごめんね。コイツ一発殴っといたから」