「ごめんなさい…」
声を上げ深く深く頭を下げる目の前の女に思わず目を見開いた。
今だに頭を上げない小柄な女は小さな体を震わせながら小さく呟く謝罪の言葉。
「えっと…頭上げたら?」
「でもあたし綾瀬さんに凄い悪い事して、あの人達にいつも従って後ばっか付いてて、それが嫌だった。陰口はたくと何されるか分かんなくて怖かった。だから―――……」
「もういいよ」
女の言葉を遮り、あたしは深く息を吐いた。
許すとか許さないの問題じゃない。
分かってる。この女もアイツらに命令されてたって事ぐらい。
確かにイラッときた。でも嫌だった気持ちもあたしにも分かる。
「ごめんなさい…」
永遠と続く謝罪の言葉に少し呆れかけた時、あたし達の横を通り過ぎて行った一馬はフッと横目で笑った。
それで少し思った。



