「俺さ、屋上より中庭のほうが落ち着くんだけど…。一馬、そっち行こうぜ」
「やだね。俺、一人のほうが落ち着くし」
一馬は不機嫌な声を出し、あたし達の間をすり抜けてダルそうに屋上を出る。
「アイツ相変わらず冷てぇ奴だな」
翔平はぼやきながらタバコの煙を吐き出し、そんな翔平に思わずフッと笑った。
笑うあたしを見て翔平も口元の端を上げて微笑む。
「あっ、そうだ」
突然声を上げ、翔平はポケットに手を突っ込んでそこから携帯を取り出してパカッと開ける。
「恵梨菜ちゃんさ、番号教えてよ。行方不明になった時、探すの大変だから」
翔平はニコッと笑って手に持っていた携帯を差し出した。
リュウと同じ行動をされ、あたしが翔平の手に握られている携帯をジッと見つめると「あっ、自分の番号分かる?」と言ってきた翔平に思わずあたしは笑った。



