叩き付けられた身体に鋭い痛みが走りだし、すぐさまあたしは振り返り後ろに立っている人物を睨みつけた。
短髪で金の髪を立たせた男が鋭い目付きであたしを見下ろし深いため息を吐き出した後、低い声であたしの胸を叩きつけた。
「ジロジロ見てんじゃねぇよ」
途轍もなく低い声に背筋が一瞬にして凍りつき、ぶつかられたあたしの怒りさえ一気に静まり返った。
「チッ…」
短い舌打ちをして、あたしに背を向けた男はまた怒りが増えたのか一人の男に向かって殴りかかろうとする。
その男の風貌に寒気が一気に走る。
「ごめんね。ごめんね。大丈夫だった?」
あの男とは逆に明るい声が耳に入り、俯きかけた顔を上げる。ポケットに両手を突っ込んで、あたしの顔を覗き込んでくるもう一人の男と目が合った。



