成二はひたすら大剣を降り続けた。
「散れ…!」
2本の大剣を中心に、大気から剣を呼び寄せては、放ち続ける。
先程、鬼蜘蛛から貰った一撃のせいで頭から血が流れ、痛みで意識が飛びそうだった。
それでも成二は、怯む事無く柱に向かう。
「邪魔ぁ!!」
半鬼を真っ二つにしたが、その影から鬼神が腕を振り降ろした。
「…!!!!」
重い一撃を剣で受け止められず、右膝が地面につく。
―――畜生!
右足に力を込めようとすると、自然と風の力が成二を助けてくれた。
「らぁっ!」
そのまま薙ぎ払った大剣は、鋭い風を生み、全ての魔を切り裂いた。
必然と柱までの道は開けたが、今にも意識が飛びそうな状態のために、思うように一歩を踏み出せない。
霞んで行く成二の視界の中に、車椅子が入った。
―――誰だ?
「頑張ったね。それに…大きくなったね」
澄んだ女性の声がした。その女性の後ろにあった柱は、音もないままに崩れた。
「な…」
「大丈夫。柱はもう壊したよ」
女性は成二に近付き、ゆっくりと手を翳した。そして、暖かい何かが成二の身体を駆け巡った。
「はやく多香子を助けに行ってあげてね」
成二の視界が鮮明になった時、不思議とその女性の姿は消えていた。
成二には何もわからないままだったが、不思議と懐かしさが胸にずっと残っていた。
「散れ…!」
2本の大剣を中心に、大気から剣を呼び寄せては、放ち続ける。
先程、鬼蜘蛛から貰った一撃のせいで頭から血が流れ、痛みで意識が飛びそうだった。
それでも成二は、怯む事無く柱に向かう。
「邪魔ぁ!!」
半鬼を真っ二つにしたが、その影から鬼神が腕を振り降ろした。
「…!!!!」
重い一撃を剣で受け止められず、右膝が地面につく。
―――畜生!
右足に力を込めようとすると、自然と風の力が成二を助けてくれた。
「らぁっ!」
そのまま薙ぎ払った大剣は、鋭い風を生み、全ての魔を切り裂いた。
必然と柱までの道は開けたが、今にも意識が飛びそうな状態のために、思うように一歩を踏み出せない。
霞んで行く成二の視界の中に、車椅子が入った。
―――誰だ?
「頑張ったね。それに…大きくなったね」
澄んだ女性の声がした。その女性の後ろにあった柱は、音もないままに崩れた。
「な…」
「大丈夫。柱はもう壊したよ」
女性は成二に近付き、ゆっくりと手を翳した。そして、暖かい何かが成二の身体を駆け巡った。
「はやく多香子を助けに行ってあげてね」
成二の視界が鮮明になった時、不思議とその女性の姿は消えていた。
成二には何もわからないままだったが、不思議と懐かしさが胸にずっと残っていた。

