頭が真っ白になる。とはまさにこのことだと思う。 周りには賑わう町並み、人。 町はきらびやかに輝き、飲み込まれそうなほどの人の大群。 まだ昼かと思わせるような雰囲気。 さすが眠らない町と言われているだけあるなと思う。 そんな中で今、あたし―…、佐倉 伊織(サクラ イオリ)が置かれている状況。 それは誰もが想像出来ないような状況だった。 そう、もちろんあたし自身にも。 いったい誰が想像出来たのだろう。 ……こんな、今日初めて会ったあたしにキスするような最低な男を。