「……あー!思いだした!」 「遅っ!やっとかよ。どんだけ熟睡してたんだよ。せっかくお前がうなされてたみたいだから起こしてやったのによ。」 「あ、マジ。うちうなされてた?」 「かなり。すんげー苦しんでたぞ。どんな夢みてたんだよ。」 言えない。 あたしの過去の夢なんて。 思いだしたくないほどの夢だった。 夢じゃないような現実味があった。 怖かったけど、苦しかったけど……………― 「なんか、ライオンに食われそうになってた。ちょーやばかった。」 嘘をつくしかなかった。