ガラッッ━━
「お待たせ!きょん」
窓の外を見ていた私は、
ドアの方に視線を移す。
少し息を切らした雅人が、帰ってきた。
………やっぱ待っててよかった。
安堵の気持ちが私を包んだ。
ちょっと嬉しい。
雅人は、小さく息を整えながら、
「あの、いきなりなんだけど…」
改まって、私の机の前まで来る。
私は、その一つ一つの行動を
目で追うように見ていた。
「頼むっ!勉強教えてくんねーかな?」
パンっと合わせた手を
自分の目の前に持ってきて
私に頭を下げている。
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