初めて雅人と話したのは 高校入学したての頃 同じクラスになった私に 初対面なのに 『入学祝い♪』 そう言って 両端をくるくるねじっているチョコを 手渡してくれた。 それは 雅人の体温でほんのり少し温かく 溶けちゃいそうなチョコだった。 そのときを思い出すと 雅人は心だけじゃなくて 身体までもが温かいんだなって思った。 それは、4月の まだ肌寒さが残る 曇りの日だった。 .