───…ちょうど、その時。 ドッ…… ただならぬ空気が淀む中、 重い音が響いた。 「王子……っ!!」 デカルトは、青ざめて駆け寄ろうとする。 「………かはっ」 と青々しい芝生の上にドバッと広がったのは、赤い染み──… かろうじて立っているキルトは、飛んできた矢を引き抜き、腹から血が溢れ出すのにも構わず目の前の敵を切り裂いた。 しかし、 無常にもたくさんの矢が キルトを狙って飛んできた──…