───…どれくらいの時間が流れたのか..ソフィは、ただボーっとラクロアの仄かな灯りに照らされながら夜空に浮かんだ月を眺めていた。 …………ねぇ、キルト。 あなたは、 自分の部屋に帰れと言ったけれど 私は、帰り方さえ知らないわ。 だから どうか……お願いよ。 私を迎えに来て───… ソフィは、再びポロポロと涙を流し出してしまった。 その時────… カサッ… 微かな足音がソフィの耳に届いた。