「ちょっと!姫様、どこにいくんですかっ!」


晴れた空に白い雲。今日はとても気持ちのよい天気。

にぎやかな里。

その里のなかを、おてんば姫の天野八雲(あまのやくも)は走り回っていた。

「お外は危ないでございます!早く、お城にお戻りを・・・!」

「お琴(おこと)は先帰っててー!私、こんなにいい天気だから、お外で遊びたいのー!」

走りながら後ろを向いてお琴に言った。

「いけません!外には、姫様を狙うものがいるかもしれません!もしなにかあったら、私が責任を取らなくてはいけないんです!」

どんなに声を張って呼んでも、八雲の走る速さは変わらない。
むしろ、どんどん速くなっている。


「いいでしょ!私になにがあっても、お琴のせいにはしないから、大丈夫だよ!」

「そういう問題ではっ・・・・!!」


でも、八雲とは歳の差が違いすぎる。なんていったって、八雲は7歳である。

走っていれば、追いつかなくなることくらい分かる。


とうとうお琴は追いつけなくなってしまった。


「姫様・・・・!!!遊ぶなら、ご無事で居てくださいませ・・・」



とうとうお琴は観念した。