恋 時 計 ~彼はおまわりさん~





「オトナシクシロ」



唇が歯に押し付けられて切れてしまうくらい強い力。


その力から逃れようと両手で無我夢中に抵抗した。





『助けて』


なんて言えない。


言う間もない。




叫ぶ力と時間があったら、

その力を必死に抵抗という形で使ってしまう。





「シニタイノカ?」





背後からの声に身が震え、私の抵抗は止まった。


死にたくないって必死に首を振った。