本当はおまわりさんの連絡先を聞きたかった。
だけど、見ず知らずの人間に教えてくれるわけないし……。
それに、あの視線がいやだった。
ただおまわりさんが居るか聞いただけなのに、『なんだこいつ』っていう冷たい目で見られる独特な空気。
私は大きく息を吐いて空を見上げた。
おまわりさんに会いたい。
立ち止まるとその思いが溢れだす。
私は思いのままに走りだした。
本屋さんやバッティングセンター。
おまわりさんが行きそうなところなんてわからない。
わからないけど、何かせずにはいられなかった。
会える確率なんてゼロに近いかもしれない。
だけど、このまま何もせずにいたらゼロになっちゃうんだ。
ほんの少しでも会える確率があるなら、私は止まらない。
止まらないよ……。

