恋 時 計 ~彼はおまわりさん~




おまわりさんの姿が消えてしばらくすると、図書館の裏庭の方から拓也君たちが姿を現した。



「どうなった?」

「バッチリよ」


親指をたてて笑って言った智子の返事に、拓也君たちは喜んだ。



「美樹ちゃんよかったね!
これであいつと急接近!」

「あいつ足速くて、正直ビビったぜ」

「俺も~!」


芝生に笑いながら寝ころんだ拓也君達の姿に、智子がお礼を言った。


「ありがとね。きっとこれで美樹は上手くいくよ。ねっ?」

「う、うん……。ありがとう」


上手くいくとは思えなかったけど、私のために協力してくれた拓也君たちにお礼を言った。



「智子、ありがとね」

「なに改まってるのよ~。
私ね、嬉しいんだ。
最近美樹が私にいろんなこと話してくれるようになって……。
だからどうしても協力したかったの」


「智子……」



智子がそんなふうに思ってたなんて知らなかった。


私が思ってる以上に、智子は優しい子なんだね……。



「智子、大好き!!」


智子に抱きついた私を見て、拓哉くんが「俺も~」って抱きつこうとした。


それを見て、関君たちも笑いながら立ち上がった。





その時、私は気づかなかった。


おまわりさんが戻ってきたことに――。