恋 時 計 ~彼はおまわりさん~



「二人とも、車で送るから交番まで来て」

「えっ!! あ、いいです!! 私タクシーで帰りますから!!」


慌てて智子が答えた。



「私も大丈夫です」


これ以上おまわりさんと一緒に居られないよ……。



「本当に大丈夫?」


心配そうに私と智子の顔を見るおまわりさん。


私たちが頷いて答えると、

おまわりさんは「すぐに帰るんだよ」ってゆっくりと背中を向けた。



歩いてる途中に何度も振り返り、優しい瞳で私達の姿を確認するおまわりさん。



どんどん遠くなっていくおまわりさんの背中が、

とても大きくて、温かく感じた。



温かいって感じるほどに胸が痛くなり、


私は掌のアドレスをぎゅっと握った。