恋 時 計 ~彼はおまわりさん~



「最近女子高生を狙った犯罪が増えてるから、もしかしたらそれと関係があるかもしれないな」



智子の嘘を真剣な眼差しで聞き、真剣に心配してくれてるおまわりさん。


胸の中がどんどん痛くなって、私は俯いた。




「美樹ちゃん、ちょっと手貸して」

「え……?」


おまわりさんの温かい手が私の手を掴み、ボールペンで掌に何か書き始めた。


私の潤んだ瞳に映ったのは……



「おまわりさん、これって……」

「俺の番号……。何かあったらすぐに掛けて。
どこにいてもすぐに行くから」



ずっと知りたかったおまわりさんのアドレス。



「俺が必ず守るから」



優しく微笑むおまわりさんの言葉が嬉しくて、私は小さく頷いた。




これが嘘から始まったことじゃなかったら……

そう胸を痛めながら。