「いい? 始めるよ?」
拓也君が私と智子に言い、関君と斎藤君と目を合わせた。
ちょっちょっと待って!!
やっぱり――
私が声を出す前に、拓也君の大きな声が耳元で響いた。
「無視すんなよ!! ちょっと付き合えって言ってるだけだろ!?」
「ひっ!!」
いくら演技とはいえ、初対面の男三人に囲まれると怖い。
拓也君がチラチラ交番に目を向けておまわりさんが来ないか確認してるけど、まだ来ない。
三人の演技はエスカレートしていき、私は本気で泣きそうなくらい怖くなった。
「おいっ!! 聞いてんのか~?」
「黙ってるってことは遊んでほしいってことだろ?」
「野外はなんだから俺んち行こうぜ」
「きゃっ」
関君が私の背中に手を回し、私は思わず叫んだ。

