「秀……治……」 微かに口にした浅野さんの声に、体がビクリと反応した。 撃つ―― 決めたのに、手が動かない。 人の命は、尊いもの。 どんなに恨まれることをしても、誰かにとっては愛する人。 そのことを知ってるから 浅野さんの思いを知ってるから もし、弾がこの人の急所に当たったら…… この人の命を奪ってしまったら…… 怒りと恐怖。 二つの大きな波がぶつかり合った。