恋 時 計 ~彼はおまわりさん~




私は、おまわりさんの手から黒い拳銃を抜き取った。



「何? 俺を撃とうなんて思ってる?」




白い歯を見せて笑う顔が、涙のせいで歪んで見える。




「撃ち方も知らないのに、俺を撃てるの?」




私をバカにして両腕を広げてみせる大きな体。


私は、鉄の塊りのような重い銃を両手で持ち上げた。






人の命を奪い

たくさんの人を苦しめ


優しい心を踏みにじった悪魔。




このまま逃がしてしまうと、もっともっと苦しむ人が増える。



犯罪は犯罪を生み、

悲しみが悲しみを生む。



この連鎖を止めない限り、

この世は

人は

救われない。






おまわりさん、


私は許されないことをしようとしてる。




けど、


この手が汚れても

他の人が救われるなら――。



たくさんの優しい心が

守られるなら――。